中小企業者のデジタル化の推進

プロモーションのデジタル化(3)SNS活用による集客・販促

SNS活用による集客・販促

SNSの現状

総務省による令和4年通信利用動向調査によると、個人によるSNSの活用は約8割に達しており、企業におけるマーケティングツールとして規模の大小を問わず無視できるものではなくなってきています。
代表的なSNSサービスとして、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなどが挙げられ、基本機能は無料で利用でき、スマートフォンで手軽に活用できるツールです。

サービス名世界利用者数国内利用者数特徴
Facebook29億1,000万人2,600万人基本的に実名登録、30〜50代中心で比較的信用度の高い情報に強い。
Instagram14億7,800万人3,300万人幅広い年代の女性中心に画像や動画の掲載に強い。
X(旧Twitter)4億3,600万人4,500万人若者の利用が多く平均年齢35歳くらい。認知・情報拡散に強い。
LINE1億9,400万人9,500万人クローズドなコミュニティーを形成。幅広い年代での利用が強み。
TikTok11億人1,700万人中国のByteDance社が運営し、ショートムービーの投稿・共有で20代以下の若者に強い。

さまざまな種類のSNSがありますが、共通して言える特徴として、
・基本機能は無料で始められる。
・スマホなど身近なデバイスで利用できる。
・写真や動画と文章で構成されている。
・利用者の嗜好を解析し、お薦めなど表示する。
・利用者同士で共有(シェア)や評価(いいね)をし合う。
などが挙げられます。

2つの目的

1つ目は企業や自社の商品・サービスを認知させ、愛着を持ってもらうためのブランディング、2つ目は販路拡大となるプロモーション活動です。日本国内で提唱されたマーケティング理論の1つであるAISASはネット社会における消費者の購買に至る行動を整理しています。Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字をとっています。

SNSは身近に消費者へ発信ができることで存在を知ってもらうことができます。SNS自体の機能として利用者の興味関心に近い情報を表示してくれます。さらに関連した情報など同じスマホなどで検索することもできます。そこで納得してもらうことで購入などの行動に繋がります。最後に本当に良かったならば再びSNSを通して情報を拡散したり、お薦めしたりしてくれます。このネット上におかける口コミや自発的推奨が消費サービスの認知度を上げることに寄与します。それは企業が発する宣伝・広告よりも知人など“より身近な人”が薦めていることで安心感や親近感を持って伝わります。

このことで広がったネットワークは企業や商品・サービスの実績や信頼となりブランド力(ブランディング)の確立に繋がっていきます。

活用方法・事例

食料品・衣料品・美容室など見た目で分かりやすい商品・サービスの場合

写真をメインとしたInstagramがより効果を発揮します。アプリ内で写真を一覧表示できるためフェイス(面)で構図や雰囲気を統一することが重要です。

イベントやセミナーなどの告知の場合

実名登録で比較的実際の人間関係での繋がりが多いFacebookがより効果を発揮します。情報発信元のみならず情報共有している人の背景が分かることで情報の内容に信頼や安心感を与えることができます。

ポイント・注意事項

商品・サービスをPRするためにSNSを活用することは有効ではあるのですが、あまり一方的な売り込みや宣伝は禁物です。自分たちの商品・サービスや取り組みについてどんな思いがあり、どんな物語があり、どんな人たちに手に取って欲しいのかを丁寧に分かりやすく写真・動画や文章で伝えることで「共感」を持ってもらえるかが重要なポイントとなり、成否を分けることとなります。また一朝一夕で「共感」を得られるものではないため、少し時間をかけてコツコツと取り組まれることをお薦めします。

廣門和久

廣門 和久

ひろかど かずひさ

合同会社シェアリング 代表社員