中小企業者のデジタル化の推進

販路開拓のデジタル化(1)EC活用/大手EC

大手EC編(販路開拓)

【大手ECのメリット・デメリット】

大手ECを利用する場合のメリットは、広告を打てば売上の立ち上げが早い点だ。
楽天の場合5000万人の利用者が存在し、ここで購入した際のポイントで他の商品が購入できるため他の所で購入はしない。しかし出品点数が多いだけに自社商品を購入してもらうには、検索された際好位置に表示されないと購入には至らない。その為楽天内の広告が必要になってくる。

アマゾンは注文された商品を自社から送るやり方と、事前にアマゾンに商品を在庫し、集客から配送まで行ってくれる仕組みがある。後者の場合は手数料が前者より高いが、立ち上げて間もない時期は売上が経ちやすい。しかし自社配送と比べて掲載金額は、アマゾンが決める為利益率は低くなる。慣れてきて自社サイトに力を入れようとした場合、アマゾンの方が安くなる為ネックになってくる。

Yahoo!ショッピング出店の初期費用・月額固定費は、無料で利益が発生していない時はYahoo!ショッピング利用に関する費用はかからないので、低リスクでECモールに出店できる。出店のハードルが低いが、モール内の競争率が高く、価格競争が起こりやすい。マーケティングへの知識がある程度なければ、Yahoo!ショッピングで利益率を上げるのは難しい。

デメリットとしてはECサイト経由などで顧客データが利用できない。その為再購入する仕組みができない。楽天の場合自社サイトでは出店できず楽天仕様のサイトを作る経費も掛かってくる。大手ECでは年に数回大規模なセールを行うが、費用は出店者側が負う事になるのも考慮しておかなくてはならない。

【事例】

事例として楽天を利用し今では数億円の売上になっている所を紹介する。
あることがきっかけでネット通販に参入しようとしたが、経験がないため楽天を利用する事とした。楽天大学に入り、楽天仕様のサイトを作成するまで数か月掛かった。スタートした月の売上が10万円。早く売上を上げて立ち上げ時の費用や年間出店料などをオーバーするために担当に毎日しつこい位連絡を入れ、アドバイスをもらった。11か月目に1000万円を達成したが、それまでには毎月相当の広告費をつぎ込んだ。

楽天の担当者にアドバイスをもらうにも担当は、広告などお金のかかるやり方を勧める。
この店舗は6秒に1回売れるキャッチコピーとギフトに絞った訴求を行う事で飛躍的に売上を伸ばした。ECサイトの場合一番初めに目につき購入訴求になるのはイメージ商品写真だから毎年プロに依頼をしている。写真とキャッチコピーは最大の訴求ポイントだ。

【まとめ】

大手ECからスタートする場合、売上を早く上げるためには他社との差別化ポイントを明確にし、サイトの中で訴求する事だ。
集客方法としては広告とEC内でのSEO対策などがあるが一難効果的なのは広告である。
広告を継続的にやり続けなければ売上は維持できない事を理解する必要がある。

赤松 雄二

あかまつ ゆうじ

有限会社ユニバーサル・ジョイント