DX事例(中小企業編)販路開拓
自社ECを立ち上げる場合一番苦労するのは、新規顧客を獲得するまで時間が掛かる点だ。
その為SNSやネット広告で集客し、自社サイトへ誘導し商品購入してもらう必要がある。
顧客獲得できさえすれば大手ECサイトに比べて手数料などが掛からず利益率は高い。
大手ECサイトではできない顧客データの活用が可能である。再購入率も高い。
自社ブランディングやサイトの更新やバージョンアップもやりやすい。
事例:A食品メーカー
土産、贈答用からの脱却し自家需要へシフト
創業80年を誇る菓子メーカーで県内での認知率は高い。
代表的な商品は、土産、贈答用として定着している。
売上比率は店舗40%卸60%である。
店舗の中心顧客は50歳以上の中高年が占めている。
コロナ過で土産中心から自家需要を掘り起こし、安定的な売上確保を目指すべくデジタルマーケティングに取り組む事とした。
【課題】
- 土産、贈答用中心だったので日常的な自家需要を開拓する商品化や販売ツールがない。
【テーマ】
- 自家需要型商品を開発し、ブランディングを図る。
- 20代から30代を中心にした若い顧客層への脱却を図る。
- 店舗来店はもとより今後のリスク分散の為、ネット売上を全体売上の50%まで3年以内に達成する。
【解決施策】
- 土産商品を小さい子供でも食べられる大きさ、容器、販売価格の見直しを行う。
- フードコーディネーターを招聘し、食べる機会を増やすためのアレンジレシピ開発を依頼する。
- 出来上がった商品の自家需要に向けたイメージ写真を撮り、店舗案内型のホームページもECサイトに一新した。アレンジレシピは毎月ECサイトにも掲載する事で閲覧率向上を図る。
- 自家需要商品のPOPを店内に掲載し、来店客に自社の方向性をアピールした。
- 県内のインスタグラマーに協力してもらい、自家需要掘り起こしのイメージを定着すべくアレンジレシピなどの写真掲載を行い、情報発信に努めECサイト誘導を促進した。
- リスティング広告によるECサイトへの流入促進、アナリティクス分析によるECサイトの充実を図る。
- ネットで再購入してもらう為のステップメールの導入や同梱ツール(アレンジレシピ集等)の充実を図る。
【結果】
- SNSのフォロワーが県内外から1000名を超え、定期的な掲載によりECサイトへ誘導が図られ商品注文へつながった。
- SNSを見た若いフォロワーが新規来店し、売上アップが図られた。
- 従来掲載していなかった商品購入ページを設定したことでEC売上が店舗売上を上回る月が出た。
- ステップメールや同梱ツールの充実で再購入率が半年で20%を超えるようになってきた。
【まとめ】
中小企業でもDXを絡めた自社ECサイトの活用で販路開拓は可能である。
自分が出来ない点は専門家に相談し、自社でできるやり方を習得するのが早道である。
赤松 雄二
あかまつ ゆうじ
有限会社ユニバーサル・ジョイント