Ⅰ 生成AIとは
最近話題の「ChatGPT」をはじめとする生成AIとは、テキスト、画像、音楽、コードなど、さまざまな種類のコンテンツを生成することができる人工知能の一種です。生成AIは、膨大な量のデータでトレーニングされ、人間が作成したコンテンツと見分けがつかないレベルのコンテンツを生成する能力を持っています 。
代表的な生成AIには次のものがあります。
- 文章生成AI:テキストベースのコンテンツを作成することができるAIです。
例えば、「会社の紹介文を作成してください」というテキストから、イメージに合った文章を作り出すことができます。文章生成AIとしては、「ChatGPT」や「BingAI」、「Bard」などがあり、自社のウェブサイトやSNS、チラシなどの文章を簡単に作成することができます。
- 画像生成AI:テキストの説明から画像を生成することができるAIです。
例えば、「赤いドレスを着た女性」というテキストから、イメージに合った画像を作り出すことができます。画像生成AIとしては、「Midjourney」や「Stable Diffusion」、「Bing Image Creator」などがあり、自社の商品やサービスのイメージ画像やロゴデザインなどを簡単に作成することができます。
- 音楽生成AI:テキストの説明から音楽を生成することができるAIです。
例えば、「ジャズ風の曲を作成してください」というテキストから、イメージに合った音楽を作り出すことができます。音楽生成AIとしては、「SOUNDRAW」や「AIVA」、「Jukebox」などがあり、自社のウェブサイトのバックグラウンドミュージックやジングルなどを簡単に作成することができます。
Ⅱ 生成AIの活用事例
生成AIは、小規模事業者にとっても、業務の効率化や新規事業の創出など、さまざまなメリットをもたらす可能性があります。生成AIを事業で活用している事例を紹介します。
- 流通業では、生成AIを商品の説明文の作成や、顧客からの問い合わせへの対応に活用できます。例えば、商品の説明文を生成AIで作成することで、作業を効率化することができます。また、顧客からの問い合わせへの対応を生成AIで行うことで、24時間365日対応が可能になり、顧客満足度の向上につながります。
- 飲食業では、生成AIをメニューの作成や、顧客の来店予約の受付に活用できます。例えば、メニューを生成AIで作成することで、作業を効率化することができます。また、顧客の来店予約の受付を生成AIで行うことで、予約の漏れや間違いを防ぐことができます。
- サービス業では、生成AIを顧客への提案や、顧客からのクレームの対応に活用できます。例えば、顧客への提案を生成AIで行うことで、顧客のニーズに合った提案をすることができます。また、顧客からのクレームの対応を生成AIで行うことで、クレームを迅速に解決することができます。
- 製造業では、生成AIを新製品の開発や、製造工程の効率化に活用できます。例えば、新製品の開発を生成AIで行うことで、従来は時間がかかっていた開発プロセスを短縮することができます。また、製造工程の効率化を生成AIで行うことで、生産コストを削減することができます。
具体的に、Microsoft社が提供している「BingAI」と「Bing Image Creator」を使用して、商店街のイベント用チラシの文章とイメージを作成した事例を掲載します。
「BingAI」によるチラシ文章作成例
「Bing Image Creator」によるチラシイメージ作成例
Ⅲ 生成AI活用の注意点
生成AIをビジネスで活用する際は、次の点に注意が必要です。
- 生成AIが生成したコンテンツは、必ずしも人間が作成したものと同じクオリティではありません。コンテンツを利用する際には、必ず人間のチェックが必要です。
- 生成AIが生成したコンテンツの中には、著作権を侵害しているものがある可能性があります。コンテンツを利用する際には、必ず著作権の確認が必要です。
生成AIはまだ発展途上であり、これからもたくさんのメリットをもたらす可能性があります。しかし、生成AIはあくまでツールであり、頼りすぎることなく、自社のビジネスに合った形で活用していくことが大切です。
なお、東京商工会議所が「中小企業のための『生成AI』活用入門ガイド」を発表していますので、QRコードを紹介しておきます。
東京商工会議所 生成AI活用入門ガイド

桐原 光洋
きりはら みつひろ
中小企業診断士事務所 ナレッジケース 代表